ハミング通信

地球環境・農業の未来

「十勝の牛は爪が割れない」帯広の水道水が教えてくれた、土と水のつながり

以前、食品業界のフォーラムで帯広に行ったことがありました。翌朝、ホテルの朝食で出された水を一口飲んで「うまい!」と思わず声が出ました。「体に染み渡る」「なんだこれ」と思いながら2杯目をおかわり。同席していた知人たちに「今まで飲んだことのない水だよ」とはしゃいでいたら、ウェイターさんが申し訳なさそうに「ただの水道水です」と言う。恥ずかしくて仕方ありませんでした。

帰りの電車で調べてみると、帯広市では水道水をボトルに詰めて販売しているという記事が見つかりました。十勝連峰の雪解け水に含まれる豊富なミネラルが理由だと、十勝の酪農家の友人が教えてくれました。「十勝の牛は爪が割れない」とも言っていました。ミネラル豊富な草を食べているから爪が丈夫で、それがいい牛乳やチーズにつながっている。水が違えば、土が違い、草が違い、牛が違い、食べ物が違う。全部つながっているのです。

世界経済フォーラムの創設者クラウス・シュワブは「農業は最も自然を破壊する経済行為の一つ」と明言しています。農地に散布される窒素肥料は地下へ浸透し、硝酸性窒素汚染で地下水を汚染する。土の問題は水の問題になり、川の問題になり、海の問題になる。

あの「おいしい帯広の水道水」がこれからもずっと飲めるように。土を守り、水を守り、自然栽培を広げていくことは、地球全体の問題に直結しています。食べることは、地球を守ることでもあるのです。

人と自然を食でつなぎ、伝える。

読んで、感じて。
次は、食べてみてください。
言葉でわかることには、限界があります。
体で感じることから、始まります。