ハミング通信

土・腸・生命科学

腸内フローラと生物多様性との関係性20年間の軌跡

2015年2月、NHKスペシャル「腸内フローラ」が一斉ブームを巻き起こしました。ダイエット、美容、糖尿病、うつ、アレルギーなど、あらゆるものが腸内細菌に影響されていることを伝えて 、これまでの常識を覆しました。

2021年、あれから6年が経って、腸内細菌をテーマにした医療や科学の最先端をNHKが番組化しました。スポーツの分野では、オリンピック選手から発見された腸内細菌で、アスリートの成績を上げる研究が注目されています。難病治療の分野では、他人の便を移植することで、潰瘍性大腸炎をはじめ、うつ病やパーキンソン病など脳疾患を改善する新戦略にも期待されています。

2026年の現在、今では「腸活」を知らない人は、誰もいなくなりました。僕が自然栽培にのめり込んでいったのは2007年頃でしたが、その頃からすでに、木村秋則さんの講演会では「嫌気性菌の土壌に好気性菌を取り込む技術」や「土壌菌の数・種類・多様性のバランスを整えることの重要性」について話をされていました。当時はエビデンス(科学的根拠)が追いついていなかったため、まるで雲をつかむような話として、まったく理解されなかったと思います。

自然栽培と腸内細菌の世界観はとても関係性が強くて、腸内細菌が解明されればされるほど、腸の中の仕組みと土壌の中の仕組みは相似形であって、基本的には同じなのだと強く感じます。菌も植物も動物も、多様性を失えば、健康には生きていけない。「農薬も肥料も除草剤も使わないほうがいい」という自然栽培の考え方の背景に、こうした世界の理(ことわり)が見えてくるのです。

人と自然を食でつなぎ、伝える。

読んで、感じて。
次は、食べてみてください。
言葉でわかることには、限界があります。
体で感じることから、始まります。