肥料・農薬の問題と悪循環
140万円の草取り除草剤を使わないと何が起きるのか
5年前、ある高齢の農家さんが「自分の田んぼには、絶対に除草剤を撒きたくない」という理由で、ワンシーズン、雑草対策の草取りアルバイトを依頼しました。その金額が140万円です。
35℃にもなる猛暑日、炎天下で延々と中腰の姿勢で作業する過酷な仕事ですから、時給1,500円と言えども、体力と根性に自信のある人じゃないと続かないアルバイトです。このアルバイトはチームを組んで、全部で7回草取りを行います。大きな田んぼではありませんが、何日もかけて田んぼを一巡した頃に、また草が生えてくるので、同じところを7回も繰り返す必要があるのです。
この農家さんの場合、お米の売上からアルバイト経費140万円を差し引くと、利益はゼロだったそうです。もし、たった1回でもいいから除草剤を使うなら、この140万円のコストをほぼゼロにできます。それくらい除草剤は強烈なのです。
一方、自然栽培では、害虫が発生してしまうと、稲自体が持つ抵抗力や自然治癒力に期待するしかなくなります。以前、知り合いの農家さんが、ウンカが大量発生したので収穫を諦めていたところ、ある雨上がりの朝に田んぼに行ってみると、自分の田んぼだけが真っ白に光っている。近づいてみると、稲の上に一面クモの巣が張り巡らされている。農薬も除草剤も使っていない田んぼには、ウンカだけじゃなくて天敵のクモも生息していたのです。
自然栽培では「いかに健康な土で、いかに健康な稲に育ってもらうか」しかありません。だから収穫できている時点で、自然の摂理の中で病害虫にも負けなかった健康なお米ということになるのです。
