自然栽培の本質・哲学・定義
自然栽培の新米はなぜ遅い?そして食べ比べると何が違うのか
毎年、秋も深まってくると「新米はまだでしょうか?」というお問い合わせをいただきます。スーパーにはもう新米が勢揃いしているのに、自然栽培のお米だけ入荷していないので、不思議に思われるのも無理はありません。
東北のお米なら、自然栽培のお米の収穫が終わるのは11月下旬頃で、一般栽培の農家さんと比べて収穫の時期が1ヶ月ほど遅くなるのです。東北地方では霜が降りる直前の収穫になりますので 、毎年11月の後半は「今年は無事に収穫できるだろうか」とドキドキしながら過ごすことになります。
なぜ収穫が遅いのかというと、スタート(田植えの時期)が一般栽培と比べて1ヶ月遅いからです。春になって一般栽培の農家さんが一斉に田植えを行う時期、自然栽培の農家さんははやる気持ちを抑えて、まず田んぼの土を徹底的に乾かす作業に時間を費やします。これが「乾土効果」といって、土の中の好気性の菌を増やし、田のコンディションを整える作業です。
では、その味はどうなのでしょうか。以前、一般栽培のお米と自然栽培のお米「白米」で食べ比べをしたことがあります。同一機種の炊飯器で、まったく同じ条件で比較しました。
一般栽培のお米のほうは、ジャーの蓋を開けると強めの「甘い香り」が広がり、とろけるような食感と甘みが感じられます。一方、自然栽培のお米は甘さ控えめで、身の引き締まった小さくて堅い粒がコリコリと自己主張をしている。そしてしばらくしてからの後味が良く、味に透明感があるのが特徴です。
「炊いた次の日、冷めても全然おいしい」。これが自然栽培米を食べた人から一番多く届く感想です。あつあつの時はごまかしがきくのかもしれませんが、冷えた時にこそ、そのお米の本当の姿が出るのだと思います。
