農家・生産者の物語
「自然栽培はビジネスになりますか?」に答える
よく聞かれる質問があります。「自然栽培はビジネスになりますか?」というものです。
食品流通においては「品質・規格・納期・鮮度・価格」が重要視されます。自然栽培の場合、農薬や肥料を使わないのでサイズや納期はコントロールできないし、収穫直前に病気が発生すれば収穫ゼロということもある。固定種の種を使えば不揃いは必然で、品質が安定しないのが当たり前です。
山梨の農家・小黒さんが有機栽培から自然栽培に切り替えた時の言葉が象徴的です。「お金以外に有機栽培を続ける理由がなくなった」。また北海道の有機栽培の出荷量で全国一位になるほどのお金持ちだったある農家さんが、これ以上畑に肥料を撒くのが嫌で、生産量も収入も3分の1になってもかまわないと、全部の畑を自然栽培に切り替えたのです。
自然栽培の生産者さんから見ると、自分の野菜を買ってくださる方々はお客様というよりは「 よき理解者」「大事な仲間」という感覚に近いのだと思います。重要視しているビジネスの要素も、お客様との関係性も、今までのビジネスとはまったく違う。だから「自然栽培はビジネスになりますか?」と聞かれたら、「これから必要になってくるビジネスです」とだけ答えるようにしています。
せっかくビジネスをするなら、食・生命・地球がどんどんよくなっていくようなお金の流れを作っていきたい。そう思っています。
